松岡 あさひ MATSUOKA Asahi

作曲・音楽理論・楽曲分析・伴奏法

1985年生まれ。幼少よりピアノ、作曲を学ぶ。東京藝術大学音楽学部作曲科首席卒業。同時にアカンサス音楽賞、同声会賞受賞。 同大学院音楽研究科修士課程作曲専攻修了。2011年、奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第1位。2012年より、文化庁新進芸術家海外研修員として、ドイツ・シュトゥットガルト音楽・演劇大学に留学。現在、東京藝術大学演奏藝術センター教育研究助手。作曲、編曲の他、的確な解釈と多彩な音色によるピアノ伴奏にも定評がある。

Q. これまでに受けたレッスンのなかで、一番印象に残っているレッスンのことを教えてください。

A. 小さい頃の両親の手ほどきを初めに、たくさんのレッスンを受けてきましたので1つを選ぶのは難しいですが、敢えて挙げるならドイツ留学中にシュトゥットガルト音大で受けたオルガンのシュスター先生のレッスンですね。私はオルガンについて全くの初心者だったのですが、鍵盤のタッチから時代背景を踏まえた音楽的な表現まで、かなり細かく丁寧にみてくださる先生でした。きっとオルガンの専攻生からすれば「もっと自由にやらせてほしいな…」と思うくらい細かい先生だったのですが、逆にこれまでピアノや作曲について勉強を重ねてきた私にとっては、先生がおっしゃる細かい指示が全て意味のあることであることを理解できましたし、様々な発見がありました。

Q. 影響を受けたアーティストは誰ですか?

A. これも1人に選ぶことは到底不可能です。クラシックの作曲家で言えばJ. S. バッハ、F. クープラン、R. シューマン、ブラームス、リスト、ラヴェル、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、リゲティ、ナンカロウ、シャリーノ…。いえ、選べませんね。

ビル・エヴァンスやキース・ジャレットをはじめとするジャズも大好きで聴き込んだ時期がありますし、A. C. ジョビン(ボサノヴァ)や、その後のAndre Mehmariなどのブラジルのアーティスト、またピアソラや、その流れを汲むタンゴもよく聴きます。ロックやポップスも、聴き方に偏りはありますが、好きなアーティストはたくさんいますよ。

最も尊敬するアーティストは、ということで言えば、J.S.バッハです。あの人が作品に込めた創意工夫は、並大抵ではありません。職人的な作曲家であったことも好きな理由の1つですね。

Q. 伴奏やアンサンブルをするうえで大切にしていることは何ですか?

A. 共演者と呼吸を合わせ、音楽的な大きな流れを伴奏する私の方が作るように心がけています。優秀なソリストでも自分で流れを作るのが苦手だったり、また、そもそもその曲の音楽的重心がどこにあるのか、よくわかっていなかったりすることは多いので。そういった指揮者的な役割を負うことができるのが、伴奏の楽しさですね。

Q. 作曲をする上で大事にしていることは何ですか?

A. 常に、聴き手の存在を意識して書くようにしています。どのような種類の音楽であれ、作曲家はとかく独善的になりがちですが、現代音楽にしろポピュラーな作品の編曲にしろ、相手に楽しんでもらえるかどうか、という点は私にとっては一番大事なことです。その上で作曲家としてこだわるべき点にはとことんこだわりますよ。凝りすぎて締め切りギリギリだったり遅れたりして、演奏家にご迷惑おかけすることもたまにはありますが、そういうことがないように心がけてはいますね。